2002年9月22日谷川岳幽ノ沢V字状岩壁登攀における墜落について
日程(天候:晴)
6:00 一ノ倉沢出合(テン場)出発
6:20 幽ノ沢出合
8:30 カールボーデン終了のテラス→登攀開始直後に墜落
12:50/13:05 登攀終了(石楠花尾根)
13:30 堅炭尾根
15:05 芝倉沢出合
15:50 一ノ倉沢出合
墜落地点
登攀開始地点(要)へ至る、40mV級トラバースルートでリード中に墜落。
(*実際はルート図より下方をトラバース中に墜落。)
墜落状況
1.テラスよりスラブ状のルートを右上ぎみに15mトラバース。
2.途中、正面フェイスより出ていた立ち木2箇所でランナ設置。
3.2番目のランナよりフェイスを4m右上、ここでロープが出なくなる。(片側のみ)
(*2番目のランナでの屈折が原因)
4.停滞地点正面にチョックストーン状の岩角があり、スリングを通して第3ランナに。
5.ランナに伸びる側のロープを掛ける。
6.3番目のランナを支点にクライムダウン。(2番目のランナを確認するため)
7.2番目のランナ直上1~2mのところでザイルに妙なテンションがかかる。
8.ランナの利きを点検するため、送り側、伸び側の両ロープを左手でテンションをかける。
9.再度、自重をかけ利きを点検中チョックストーンが崩壊、上部全長1m級の岩が同時に崩壊。
10.落石が正面に向かってきたため、顔をそむけてバランスを崩し墜落。
11.高さ2~3m下のスラブへ頭、背中から墜落。
12.その後、スラブを6~7m滑落。
13.ランナ崩壊によるランナアウトのロープの伸びが無くなり、ビレーヤの確保により停止。
14.停止前後で意識の喪失は無し。
15.停止地点で、怪我の状況確認。
16.再度登攀開始、先ほどの第二ランナのザイルを掛け代え、流れを良くする。
17.崩壊した支点の2mほど右上で、立ち木とハーケンで確保点を作成。
18.後続2名をホロー
19.トップを交代してもらい、さらに左上してテラスへ。
20・テラスで詳しい怪我の状況を確認。(ここが正規ルートの登攀開始地点)
21.登攀可能を判断、以降ホローのサードで終了点まで登攀を実施。
怪我状況
1.頭部右耳上、圧傷(ヘルメット内部のバンド結び目によるもの)
2.頭部右耳下、裂傷(墜落時、右肩に接触)
3.左手手のひら(中指、薬指、親指)裂傷(ロープによる火傷)
4.右手甲(人差し指、中指、薬指)裂傷(墜落時スラブに接触)
5.右腰骨盤上の皮下脂肪、圧傷(墜落時、ハーネスに挟まれる)
6.左脇の下、擦り傷(スラブ滑落時に)
7.左足太もも、打ち身(墜落時に)
墜落における反省点
1.第三ランナが崩壊した場合、その上の岩が落ちることが予想できなかった。
2.第二ランナでのロープ屈折の影響が予想を越えていた。
3.第三ランナの確認はクライムダウンする前にもっと念入りにすべきであった。
4.メットの内側に結び目を作ったために頭部に傷を作ってしまった。
墜落によって気が付いたこと
1.高さ2~3mから、スラブ斜面に頭からグランドフォールしたのにもかかわらず、ザックとヘルメットのおかげで、登攀可能な程度の傷で済んだ。(衝撃の大半は背負っていたザックが吸収した)
2.墜落時ランナーは2箇所しか効いていなかったにもかかわらず、ビレーヤには大して衝撃がかからなかった。(墜落時、ロープの伸びで衝撃を吸収したため、リード者、ビレーヤそれぞれに影響が少なかったと思われる。→今後、この影響がロープに出るかが心配。次回はそれほど衝撃を吸収しないのでは?)