北本山の会 山行報告書

 

報告 2003731日  報告者( 橋本裕子

 

山行期間

2003 7 24日〜 7 27日      (4日)

山域・山名

北アルプス・槍ヶ岳

リーダー

NPO法人さいたま山に親しむ会

参加者

上野・上野万里・宮内・瀬下・武藤・橋本  他大人3名 子ども6

コースタイム

7/23 2030北本発 蓼科山荘泊

7/24 1150沢渡村営駐車場着(共同装備分担タクシーで上高地へ)

1310上高地発 1630横尾で幕営(歩行3時間20分)

7/25 610横尾発 810槍沢ロッジ発 1100天狗原分岐発

   1220坊主岩屋下通過 1315殺生ヒュッテからの合流点通過

   1400槍ヶ岳山荘着(歩行8時間)

7/26 510550槍ヶ岳山頂 800山荘発 855大喰岳山頂発

   1000中岳山頂発 1110天狗原への分岐 

1255横尾尾根のコル発 132045天狗原氷河公園で雪遊び 1450槍沢に合流 1800横尾幕営地着(歩行11時間)

山行記録

NPO法人さいたま山に親しむ会」主催の槍ヶ岳登山ツアーに参加した。予定は中房温泉から入って表銀座縦走だったが梅雨もあけず天気予報もよくなかったので出発前にコース変更の連絡が入った。上高地から入り横尾で幕営し、槍沢を登って槍ヶ岳山荘に素泊まり、大喰岳、中岳、天狗原を通って横尾へ下山し幕営となった。

参加者は、スタッフも含めて大人9人、小学校3年生2人、4年生4人の15名だった。小学生も共同装備を分担し上高地から横尾まで足慣らしも兼ねて初日を終えた。

2日目は、テントを残して槍ヶ岳山荘を目指した。小学生の体力を考慮し、休憩を取りながらゆっくり登る。この日のスタッフはテントが無いので、子ども達の共同装備を背負って登る。いざとなれば子どもを背負う覚悟もしていたらしい。しかし、親を離れた子ども達は思った以上にたくましく、黙々と登った。槍沢にはまだかなりの雪渓が残り、高校生や大学生らしき若者が楽しそうに尻すべりをしながら下山してくる。「明日は私たちも滑ろうね」と話しながらひたすら上を目指した。

雪渓の端には、芽吹いたばかりの木の芽があり子ども達には季節外れの不思議な光景に映ったようだった。シナノキンバイ・モミジカラマツ・ハクサンフウロ・ベニバナイチゴ・ハクサンイチゲの花々の混生もみごとだった。12時近くになりとうとう雨が落ちてきた。雪渓を抜け出たところはモレーンの上のようだ。一面ガレ場が広がり石の間には背丈20センチほどのキバナシャクナゲが咲いている。厚みのある葉が霧雨に濡れてきれいだ。

坊主岩屋下あたりでガスの中にぼんやりと、しかし大迫力で槍ヶ岳が見えた。今回はじめて見る槍ヶ岳だ。殺生ヒュッテを遠巻きするように上を目指すころに本格的に雨が降り、雨具を着ることになる。槍ヶ岳山荘も目前に見えている。あと一息だと思っていると前の方から子どもの泣き声が聞こえる。いよいよ限界か、私だって泣きたいと思った。よく聞くと「もう登れない、もう歩けない、あっちの小屋に泊まりたい」とやり過ごしてきた殺生ヒュッテを指差しながらしゃくりあげている。何とかだましながら10分も登っただろうか、山荘の玄関が見えたとたんに元気に走ってゴールしてしまった。ちょっと遅れて山荘に着いてみると子ども達は小屋のスタッフや客の中でヒーローになっていた。暖かいストーブのある畳の上で横になり元気を取り戻すのにさほどの時間はかからなかった。

 「夕焼けがきれいだ」と言う声が聞こえ外に出てみる。さっきまで見えなかった槍ヶ岳が目の前に聳え、四方の山々が夕日に染まっている風景は圧巻だ。明日の登頂を期待して布団に入った。

 明け方、風の音で目覚める。身支度をして外に出る頃には完全に風はやんでいた。15人全員で憧れの槍の穂先に取り付いた。慎重に、慎重に登っていく。土曜日の早朝のせいだろうか名物の渋滞はない。全員が最後のはしごを上りきるのに20分はかからなかったように思う。

 朝日を受けた小槍が美しい。遠く雲海の向こうには白山、鹿島槍ヶ岳、八ヶ岳、乗鞍岳。すぐ近くには笠ヶ岳、双六岳、前穂高岳、奥穂高岳がある。西鎌尾根、北鎌尾根、東鎌尾根も足下である。山座同定に時間が経つのも忘れる。

 横尾への下山路は、天狗原経由のルートを選んだ。中岳からの下りは岩の細尾根だ。慎重に時間をかけて下山した。逆さ槍が映るはずの天狗池は雪の下のようだった。緊張の連続だった子ども達に天狗原の雪渓でしばし雪遊びをさせてテント場へ向かった。

 最後の夕食は、がんばった子ども達へのご褒美の「手巻き寿司」だった。一言ずつ反省や感激を発表しながら楽しくにぎやかな夕食となった。

大人へのご褒美はもちろんビールである。すっかり仲良しになった子どもたちのテントからは、にぎやかな話し声が聞こえていた。小学3年生から60歳代までの混生グループだったが全員が目標を達成して山行を終えることができた。

 今回、登山靴の突然の破壊を目の当たりにした。数年前から雑誌等で問題になっていたので知識としては知っていたが驚くべきものだった。「なんか靴の様子が変だな」と言っていたらあっという間に両方の靴底がはがれたのだ。購入して5年ほどの靴だという。年数や履いた回数だけでは推し量れないものがあるようだ。劣化は想像以上に早く進むらしい。

備考