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13日土砂降り雨の中出発するが間もなく回復し、三国峠(1735m)に着く頃には雲も切れて日差しが出てきた。
サァー国内グループ県境歩きの始まり始まりと意気込んで歩き出すが三国山への取り付きがわかりにくく、トイレの脇の笹を分け入ると木の幹に「三国山」「御巣鷹山」の古ぼけた道標、急登はすぐに終わり緩やかに登って行く。途中展望のよい小さな岩場をいくつか越え30分で群馬、長野、埼玉三県境の山頂へ(1828m)。早速5周年の旗を掲げて記念撮影をし、同じ道を峠まで戻る。
ここからSさんは帰りの足を確保するため、車を毛木平まで回送し、毛木平から八丁坂を経て十文字小屋へ直行。残る4人は、いよいよ埼玉、長野県境の三国尾根歩きのスタートである。
稜線の右側は川上村の白いビニールを敷いたレタス畑が何処までも続き、左側は両神山をはじめ秩父の山並みが続いている。よく見ると十文字山への取り付き点まで見えている。
雨上がりで木々の新緑がきらきらと美しく輝き、汗はかくものの何とも爽やかで心地よい。石楠花の花は咲いているか等の話に夢中になっていると悪石(1849.8m)に、この頃になって≪秩父山地緑の回廊≫の標識に何度か出会っていることに気がつく。多少のアップダウンを繰り返し、大きな梓白岩の裾を長野県側に巻きながら通過。さらに弁慶岩を越え、この日最後のピーク十文字山(2071.9m)の取り付きに。ここで先回りをし、小屋に荷物を置いて出迎えに来たSさんと出会うことができ、一段とおしゃべりも弾み、歩みにも力が入る。北斜面でコメツガ、シラビソの樹林の中は陽の光が差し込まないためか何種類ものコケが絡み合い、触れれば水が滴るような保水力と輝くばかりの緑の配置は、人工的には作りえないまさに自然の庭園風景である。ふと、魔法の国に迷い込んだ様な錯覚すら覚える。十文字山を越え、木々の間に今日の宿十文字小屋の姿を見つけたとき、やっと第1日目の成功を確信。
前日は土曜日とあって60名余りの泊り客があったという小屋も今日は私たちを含めてわずか9名。悠々と食事をすませ、小屋の女主人もランプの下での交流に加わり談笑。明日に備えて早めの就寝。
14日快晴、色あせて地面に落ちた石楠花の花びらを横目にして小屋を出発。足元に気を付けながら黙々と森林帯を登る。ふと目を上げると石楠花は鮮かなピンクに森を染めて私たちを迎えてくれていた。歓声をあげつつ森林帯を抜け、急な岩場を快調に登りきると大山の山頂だ。北、南アルプスをはじめ360°の展望。しばしの休息。
ここからは急登降の繰り返しで武信白岩山、尻岩(なるほど)、そして埼玉県最高峰の三宝山(2483.3m)へ。一等三角点のある広い山頂は身も心もゆったりとした開放感に浸れる。そういえば昨日の三国峠からの標識にはすべて「埼玉県」の文字があったことに気付き、県境尾根縦走という目的を思い出してなんとなく納得し、感動。
ここまで来れば目指すは百名山甲武信ヶ岳へと足取りも軽く(?)難なく山頂に。なんと富士山までも顔を出してのお出迎え、周囲の景色を眺めながら皆さんのザックの中から出てくる出てくる御馳走を食べて大満足の休憩となった。第4区から第5区への引継ぎを心の中でつぶやきながら記念撮影をして毛木平に向かって下山開始。
山頂直下の岩場にはイワカガミの群落もある。金峰山方面への縦走路を少し行ったところで右に折れ、ジグザグ道を暫く下ると「千曲川源流」の標識に出会う。この湧き水を沸かして入れたコーヒーのおいしかったこと元気百倍。岩の隙間から流れ出るあのちょろちょろ水が数メートル先では川の様をなし、さらには大河信濃川となって新潟の海に注いでいる。歩いてきた尾根道のすべてが日本中心部の大きな分水嶺であったことをあらためて思い起こし、右に左に瀬音を聞きながら下降する。毛木平の手前では目の高さでマタタビの花を見ることができ、樹林の中まで続くベニバナイチヤクソウの群落に見送られての帰路となった。
会発足5周年の企画があったからこそ新緑を、色々な花を、そして手付かずの鬱蒼たる豊かな天然林の素晴らしさを実感し、緑の回廊なるものの中森林浴をしつつ1620mの標高差を歩くことができました。
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