北本山の会 山行報告書
報告 2004年10月17日  報告者(瀬下 啓司

山 行 期 間

2004年10月10日 〜 10月12日      (3日間)

山 域・山 名

奥秩父・笠取山〜雲取山縦走 (国内登山第6区)

リ ー ダ ー

瀬下 啓司

参  加  者

瀬下・関根・保坂・村田・横堀

コース タイム

10/10 北本5:32→(JR乗り継ぎ)→塩山8:53→(タクシー)→

作場平橋10:00‥一休坂分岐10:35‥笠取小屋11:40

水干13:00‥唐松尾山15:25‥将監小屋16:50

10/11 将監小屋6:10‥飛龍山分岐9:05‥飛龍山9:30‥北天ノタル11:30‥三条ダルミ14:00‥雲取山14:50‥雲取山荘15:40

10/12 雲取山荘6:30‥芋ノ木ドッケ7:30‥前白岩山8:30‥お清平9:20‥霧藻ヶ峰9:50‥三峰山頂ロープウェイ11:40→(ロープウェイ・タクシー・秩父鉄道・JR乗り継ぎ)→北本15:00

山 行 記 録

 台風22号が出発予定日である10/9に関東地方を直撃との予報で、出発を1日遅らせ、10/10の出発に変更する。

10/10 台風一過で好天を期待するが、残念ながらお日様は出ず、どんよりとした曇りがちの天気。北本を上りの始発電車で出発し、高崎線、京浜東北線、武蔵野線、中央線を乗り継ぐ各駅停車の旅で、登山口の塩山に向かう。ここからはタクシーで笠取山への入山口である作場平橋へ。もう1つの入山口である中島川橋よりは若干遠くなるが、今回はこちらから登ることにした。「熊出没注意」の看板に、鈴を鳴らしながらゆっくりと登り始める。カラマツやミズナラの静かな樹林の中を進む。登山者は我々のパーティーのほかには2人プラス犬一匹で、秋の連休だというのに、このあたりの登山者はこんなものなのかと思う。2時間弱で笠取小屋に到着。国内5区のグループが前回泊まった小屋だ。ここで休憩の後、いよいよ県境稜線の縦走路へと入っていく。しばらく草原の中を進むと、雁峠分岐に続く小ピークに、多摩川、荒川、富士川の3つの川の分水嶺を示す石碑があった。そして、眼前に突然現れた急な尾根(標高差250m)を登りつめ、第6区最初のピークである笠取山に到着。記念撮影を行う。

台風の関係であろうか、やはり稜線上は風が強い。昨日だったらまさにとんでもない状況であったと考えられるが、1日たった今日も、手に持つ旗が風にあおられ、日差しが無いところに木々が十分すぎるほど吸い込んだ水滴が雨のように体にかかってくるので、じっとしていると肌寒く感じる。そんなわけで、休憩もそこそこにピークを離れ、県境の縦走路に再び下りる。途中、少し戻って水神社のある「水干(みずひ)」に立ち寄る。多摩川の最初の一滴を落とす場所である。荒川の源流点は、甲武信ヶ岳の山頂から少し下ったところにあるが、それよりも案内板や標識が立派な気がした。埼玉よりも東京のほうが水不足に悩まされるせいだろうか。さて、時刻は午後1時をまわり、ほぼ予定通りのコースタイムだが、先を急ぐことにする。東へと進む県境尾根の道だ。誰ひとりともすれ違うことのない原生林の中を行く。薄暗い林の中をただひたすら歩いていった。天気が良ければさぞ気持ちのよい尾根歩きだったと思うと本当に残念である。広葉樹のカエデやドウダンツツジなどが色濃く赤に染まって目をなごませてくれるものの、霧の中、木々から滴り落ちる水に体を濡らしながらの山歩きでは気持ちが高揚してこない。長い単調な尾根歩きであるからなおさらであろうが、正直なところ国内登山のたすきをつなぐ使命感のみで歩いているような気持ちになった。それでもそれぞれの参加者はひたすら歩き続けた。第3区の三国山から最終第7区まで、奥秩父の県境の峰々を100キロ走破することを目標にしている人あり、この先にある百名山の1つである雲取山の登頂を目指す人(この私です)ありと、それぞれに大きな目標を持ちながら。唐松尾山山頂、15:25着。あと5キロ、2時間半ほどで将監小屋だ。苔むした樹林帯の登山道には時折倒木があって行く手を阻むが、またいだりくぐったりしてひたすら進む。そして、夕方になり目の前がパッと開け、草原が現れた。将監峠だ。あとは小屋まで下るのみ。16:50将監小屋に到着。ビールで乾杯し、夕食のカレーライスを食べる。小屋は外観こそ古びているが、中はまきストーブで暖かく、室内は広々としてきれいだった。広い部屋に他のパーティの3名を含む8名でゆっくり休むことができた。

 10/11 6:10に将監小屋を出る。昨日は木々からしたたり落ちる水滴で濡れて歩いたわけだが、今朝は本当の雨が降っている。しかし、霧雨程度なのでなんとかなるだろう。本日は飛龍山を経由して、雲取山を目指す。なるべく県境のルートをとるため、小屋からエスケープせずに将監峠まで戻り、進路を東にとる。県境尾根の南面についている登山道は、トラバース気味に続いていく。向かって左手は樹林帯だが、右手は切れているところもあり、注意して進む。また、落ち葉に隠れている濡れた木を踏んで足を滑らせることがあり、これにも注意だ。飛龍山の分岐に9:05到着。ここで荷物をデポし、飛龍山の頂上を目指す。頂上ではまたも視界がきかず残念であったが、ちょうど1人の登山者が来ていたので記念撮影には5名が無事おさまった。北天ノタルを通過、14:00に雲取山の直下、三条ダルミに着くと、ようやく待望の晴れ間が現れた。なんとも気分爽快である。長めの休憩をとり、しばし大菩薩嶺などの峰々の眺望を楽しんだ。気分転換ができたところで雲取山に向けて再び元気に出発。樹林帯の中を250メートルほどの急登であったが、途中鹿の親子からのお出迎えを受け、さらなる元気をもらって進んでいくことができた。

そして、ついに広々とした雲取山の頂上に立った。雲が多く360度の大パノラマとはいかなかったが、東京出身の自分としては東京都最高峰の山であり、日本百名山の1つに登れたことに満足する。記念撮影のあと20分ほど下り、雲取山荘に到着。台風の影響かお客が少なく、ログハウスのきれいな山小屋でゆっくり身体を休めることができた。外のトイレが非常にきれいだったこと、個室の部屋にこたつがあったこと、さらに労山の会員証提示で宿泊代が千円引きだったことを特記事項としておく。

 10/12 本日はしばらく県境ルートをたどった後、東に分岐する長沢背稜(次回の第7区が進むルート)を見送り、三峰神社へと下山する。道はよく整備されており、この3日間で30キロにも及ぶ道のりを歩き通したことに満足感を感じながらのんびりと行く。5時間ほど歩き、三峰神社に着く。すると、お土産やの店員さんから「熊に遭いませんでしたか?」と尋ねられる。たった今、妙法ヶ岳から下山してきた人が熊を見たとのこと。今年は近年になく各地で熊が出没しているが、我々も案外熊の近くを歩いていたのかもしれない。ほどなくロープウェイの駅に到着。無事山行が終わり、なんとか「たすき」をつなぐことができた。今回はあまり天候に恵まれなかったが、深まる秋の季節にまた奥秩父に出かけてみたいと思う。

備     考

3日間の標高差・計2,075メートル


笠取山 唐松尾山
将監小屋
飛龍山 雲取山