ツール・ドゥ・モンブラン
9年前、初めてスイスへハイキングに行ったとき、ツール・ドゥ・モンブランというモンブランを一周するハイキングが存在する事を知り、興味をもった。そして、2004年再びスイスを訪れる機会があり、エルブロンネ展望台からコースの一部を見る事ができ、是非歩いてみたいという衝動にかられた。幸い会員の皆さんの賛同が得られ、2年間の準備期間を経て今回の実現となった。
7/14 京成上野駅に集合し、成田空港へ向かう。KLMカウンターでボーディングパス発券時のひとこま。荷物の受け取りをしている中年の男性係員さんが、添乗員なしの元気な女性集団に興味を持ったのかいろいろ話しかけてきて「頑健ですね。頑張ってきてください」とエールをおくってくれた。
アムステルダム乗り換えにて、ジュネーブ到着する。ツェルマット在住のKさんの出迎えを受け、バスにてシャモニーのホテルへ向かう。さすが車窓からの風景はみごとで、絵葉書の世界のようだ。飛行機での長旅の疲れも忘れさせてくれる。途中では、モンブランをはじめ、今回挑戦をするモンブランタキュールの雄姿も望む事ができた。(保)
7/15 今日から本格的なトレッキングスタート。抽選の結果花の初日を引当光栄の至りだ。シャモニーのホテルを2台の車に分乗し、約1時間かけて登山口ノートルダムドラゴルジュ(1210m)到着。目指すはボンノム峠(2329m)を越え、ボンノム小屋(2433m)へ。
森林地帯をしばらく歩くうちに、牧草地が現れいろいろな花に出会う。アストラゴン、マンテマ、アルペンローゼ、アマ、ゲンゲ-----あげればきりがない。花々の美しさ、愛らしさにうっとり。景色も日本では、想像もつかない広大な山にすごいすごいの連発、17:15ボンノム小屋へ到着。山小屋とは思えないような食事、トイレも水洗トイレでとてもきれいだ。今日1日フランス国内トレッキングだった。(横)
7/16 昨日笑顔で迎えてくれた、ココおじさんの吹くトランペットに送られて8:00過ぎボンノム小屋出発。雪渓を過ぎフール峠(2665m)に到着。氷河、そして左前方にモンブランがくっきりと見える絶好の場所、フランスとイタリアの境界や、奥にはスイスの山も見える。充分に風景楽しんでグラシェ氷河を下り緑の放牧地へと。キンポウゲ゙、ヤグルマギク、ワタスゲ゙、アルペンローゼと昨日にも増して花畑がどこまでも続き、気持は華やいで花畑での撮影にいそしむ。花々を楽しみながら下り、遥か下に見えたチーズ小屋に着く。牛乳飲みたいがチーズ作る為と言う事で断られガッカリ。
下った分だけの登りが待つ。木陰が全くないので暑さが余計つらい。モッテ小屋に13:00時到着。パン、オムレツ、トマトたっぷりのサラダの昼食に満足。山の斜面には、放牧されている牛、羊そして花畑と心優しくなれる風景が広がっている。
ここからは800mの登りに入るが途中から風、空も味方してくれて少しだけ楽になる。こんな時の風はご馳走だ。フランスとイタリアの国境のセイニョ峠に登り着いたのは16:45、モンブランは、さらに大きく見える。ココおじさんプレゼントのワインは、ペットボトルのキャップで乾杯!トランペットにワイン、ココおじさんの心配りは素敵です。
花畑で遊び過ぎなのにここでもゆっくりと、周囲の風景を楽しむ。エギュール、ノワール(とんがった黒い針峰)、グランドジョラスも左手に見え始め、興奮気味で歩く。夕方になってきたせいか盛んにマーモットが鳴き声上げながら姿を現す。ぼこぼこといくつも穴がありマーモットマンションと言える程だ。午後9時頃まで明るいと言うので時間を忘れ歩く。氷河を背にした緑の窓枠が効果的なエリザッベタ小屋は、山の中腹に建ち絵葉書の中の一部の様に美しい。しかし小屋前の少しの登りも1日歩いた身には堪える。18:15到着。シャワーは水だったが夕映えの山々を見ながらの夕食も美味しく花、アルプスの景色の美しさを楽しんだ1日だった。(松)
7/17 エリザベッタ小屋(2258m)の朝は、清清しい。
グラッジェ山(3640m)とトレアテート山(3930m)の岩稜との氷河の下にあり、朝日に染まって美しい。パン、コーヒー、ミルク、とレストラン気分を味わいスタートする。
尾瀬を感じさせる湿地帯の道からハイキング、お花のなかを今日も歩く。桜まんてまのピンク、黄色いとりかぶと、おやまのえんどう、うめばち草、名も知らぬ花たちのなかを今日のピーク(2400m)に到達。モンブラン東壁、グランドジョラス、モンブラン針峰群を目の前に360度のパノラマの世界だ。イタリア側からのモンブランは岩稜の険しい姿で、スイス側とは又違った姿だ。シェール峠えは、トラバースして1時間、スキー場の小屋で昼食、パスタ、焼き野菜にとても満足。
下りはリフトが動かないので、ここの御主人に送ってもらう。クールマイユールのホテルに着きました。久々に、洗濯、お風呂に入り、さっぱりできました。(武)
7/18 晴れ クールマイユール滞在日。ホテルで朝食後出発。バスに乗り、ロープゥエイ駅からエルブロンネ展望台へ。(3462m)3日間歩き、モンブラン山群やグランドジョラス、その他の山を眺めながらの日々。
今日展望台で、目の前に迫るモンブランなど、最高峰の山々を眺め、「最高の気分と興奮状態で急に疲れを感じた」とAさん。「はるかにマッターホルンが見えて感動した」とMさん。
展望台観光後、1時間ほど歩き、プランパース村で昼食。屋外の広場でゆっくりと流れる時間がここちいい。目の前に迫るグランドジョラスから吹きおりてくる風が涼しい。バスでクールマイユールのホテルへ帰る。(諸)
7/19 今日も晴れ!まだ最高が続く。昨日の休養もあって、さらにみんな元気。クールマイユールの石造りの街並みを見ながら、フェレ峠登山口までバス。座席に座ったものの、なぜか床に足がつかず、ブラブラさせている人も。本日の予定は標高差↑800m、↓800m トレッキング5時間。
たくさん放牧された牛に道をふさがれ、柿沼さんがストックでお尻をノック。花いっぱいのイタリアのフェレ谷を登りフェレ峠へ。グランコンバン(イタリアとスイスの国境)しばし休憩。3つの国にまたがってそびえるモンデランをバックに写真撮影。花の上で昼食のサンドイッチを作りおいしいの連発。
今度はスイスのフェレ谷を下り、山腹にある小屋で休憩し、お花の中をフェレ村へ。明日の昼食買い出しのため、柿沼さんはヒッチハイクで次のバス停留所シャンペ村へ。私たちはメモを頼りにバスに乗ることに。ところが、預かったバス代(ユーロー)の中からアイスを食べてしまったので、バスが来たものの料金が足りず、言葉は通じず、悪戦苦闘。何とか乗る事に。途中から乗った柿沼さんに、運転手さんいわく「あなたの友達は何だかこんがらがってるよ」と言ったとか。
車窓から古い村や美しい景色を堪能しながら、オルジュール経由でシャンペ村へ。ペンション・プレインエア着18:30。多勢の登山者で賑やか、日本の団体さんも一緒でした。
氷河を抱えたアルプスの雄大な山々、ボタンドール、タマシャジン、パラダイスリリー、マルタゴンリリー、ベルフラワーなど沢山の花に出会えた素晴しい一日でした。(白)
7/20 今日はツール・ドゥ・モンブランの中で一番の醍醐味である、「アルペッツォの窓(峠)」を目指す。標高1,200m登り1,250m下る大変な行程である。7:50シャンペ村のペンションを出発。モミの木からカラマツ林に変わった樹林を抜け、大きな石がゴロゴロしているカールの中を登る、カールの中なので展望がきかない。11:00窓が見えて来たがまだだいぶ遠い、雪渓を横切るとザラザラした小石混じりの登山道に変わった。歩きにくい。
12:25「アルペッツォの窓」に到着。[窓]とはうまく名づけたもので、まるで窓を開けたように景色が開けた。エギュールツーム山(塔の山)から流れるトリアン氷河、エルツォー湖、スイス・フランスの国境の山々。素晴らしい眺めだ。持参したパン・トマト・キュウリ・ハム・チーズを切ってこれまた大胆な昼食。餌が欲しいのかカケスが頭の上を飛び回っている。13:45下山開始、ザラザラした急な登山道を慎重に下る、氷河を見下ろしながらの下山はもちろん初めてだ。身近に見る氷河はクレパスが多くその色が透き通る水色をしていてとても綺麗だ。解けた氷河がゴウゴウと流れ落ちている。16:40お茶屋さんでジュースを飲み18:20トリアン村のペンションに到着。着くのが遅かったのでベットが別々になってしまったが、外国のグループの人が場所を換わってくれた。おかげで皆でまとまって寝られた。(村)
7/21 ツール・ドゥ・モンブランのハイキングもいよいよ今日で最終日である。平坦な道路をしばらくすすむ。途中、スエーデンのグループがリュックの上に大きなパンをむき出しで括り付けて通りすぎていった。日本では見られない風景だ。左前方には、昨日頑張って越えたアルペッツォの窓から朝日が差し込み神々しい。
ハイキングコースに入るとしばらくは樹林帯の中をすすむ。途中休憩していると、日本人のツアーグループが通りすぎていった。今回二度目に会った日本人グループだが、歩いているコースは違うそうである。
樹林帯を抜けると、明るいアルム(放牧している山)の中を進むが、両側は相変わらずお花でいっぱい特にユウゼンギクの紫が目立つ。右には大きな岩山でクロワドフェールというそうだ。まもなく、今日の目的地スイスとフランスの国境バルム峠(2191m)へ到着する。峠からはフランス側からのモンブラン山群が一望でき、一週間掛けて一周してきたのを実感できた一瞬である。
みんな国境の石に感激のタッチ。その後、山小屋の外のテーブルでツール・ドゥ・モンブランが無事終了した事を祝って乾杯。どの顔も満足の笑顔に思えた。
バルム峠からは少し下った後、リフトとゴンドラを乗り継ぎルトゥール村へ到着する。20分ほど歩いてビンドロン駅から電車でシャモニー駅へ到着。一週間ぶりのシャモニーの町だが達成感でとても気分は良い。(保)
7/22 晴れ シャモニー滞在日(休息日) 今日で8日目、皆、元気!!午前中、シャモニー市内の「朝市」へ行く。あらゆるものが売られていて見て歩くだけでも楽しい。たとえば、鳥の丸焼きが30羽ほどゴロン、ゴロンとまわりながら焼かれている。ウインナーやソーセージのいい香り・・・。
この「朝市」は、土、日に限らず、毎日、街のどこかでやっているそうです。私たちは、午後のピクニックのために、鳥の丸焼き、パン、くだもの、ソーセージなどを買って出かける。
川ぞいの道を40分ほど歩き、ロープウエィーに乗り、丘の上に出る。モンブラン、グランドジョラス、アルプス針峰群などの見える丘で昼食。陽ざしは強いが風はさわやか。
夕方はショッピング。ホテル泊まりの夕食はいつも外食。オープンテラスのあるレストランで。(日本の大衆食堂?)ちょっとおしゃれな雰囲気がいい。(諸)
7/23 晴れ (A班)モンブランタキュール登頂
いよいよモンブランタキュール登頂の日、ホテルの窓からの朝日に輝くモンブラン山群が美しい。シャモニーからゴンドラを乗り続いで、エギュードミディ駅(3840m)に到達、ここでハーネス、アイゼン、ロープを着け2人と3人に分かれてスタートしました。いきなり切り立った急途、下りの連続に緊張する。(約200m下る)。雪の原をトラバース、右側には切り立った岩稜をクライマーたちが登っているのが見える。雪庇の下、いくつものクレパスを乗り越え急途をジグザグに登る。スタートから2時間10分、ようやく平な雪原に出て休憩、頂上付近が見えてきた。なだらかな雪原の後は、急な雪壁と氷と岩稜が待っていた。頂上直下、ロープに確保されながら、岩稜を登りトラバースすると、4248mに到達した。 バンザイ・・・ 抱き合って喜び合いました。
頂上からのモンブランは半分雲に隠れているが目の前に近い。登っている人やトレースが良く見える。とがった岩稜の山々が下になり雄大なスケールを見せて足元がすくみそうだ。天井に近いことを感じる。
下りは頂上直下の岩稜と急登に、ロープで確保、時間がかかる。こんなにも急登だったのかと思う、緊張の連続の中をくだる。1歩間違えば谷底だ。朝なだれがあった近くを気を付けて急いでとガイドの言葉に、緊張は最高、休みなく2時間、ようやく雪原に到着し休憩となりました。エネルギーにおにぎりをたべ、最後の急登に挑戦、きついきつい登りを終わりゴンドラ駅に到達。 バンザイ・・・皆で抱き合い握手。ガイドさんに感謝し、今日の日に乾杯。北本山の会女性隊バンザイ・・。(武)
***モンブランタキュール登頂者の感想***
(保)
出発する前に膝を痛めてしまい不安を抱きながらの挑戦だった。しかし天候に恵まれ、ベテランガイドに導かれながら氷河を歩きモンブラン山群の1角であるモンブランタキュールの頂上に立つことができ感無量であった。
(村)
自分の人生のなかで氷河の山に登る機会があるとは思ってもいなかった。山頂から見たクレパスにできた湖の色、目の前のモンブラン、すごく疲れて大変だっただけに登山口に帰って来た時には、感動で涙が出た。上手にエスコートしてくれた2人のガイド、山の会の仲間に感謝、忘れられない思い出が又増えました。
(松)
モンブランタキュールは一面の雪の世界、日差し強くシャツ1枚で充分だった。雪山初心者の私はピッケルがこんなに役立つことを始めて知る。しかし手にこめる力、足にまつわりつく雪で疲れる。頂上直下の岩が、またぐのには離れすぎていて恐い。ガイドが安全確保してくれて登れる。頂上からの氷河、目の前のモンブラン等、眺望は素晴しく登りきれた喜びで涙でした。安全確保しているから恐がらずに のガイドの言葉に励まされ、ガイドの有り難さを痛感しました。ゆっくりゆっくりでしたが、5人全員で、登りきれたこと、思い出の宝物がふえました。
(B班)シャモニー滞在日
予定が順調に進み、今日、B班の行動はゴンドラに乗り継ぎ、エギュードミデー展望台からハイキングとする。ゴンドラに乗り継ぎ、なおエレベーターに乗り3840mの展望台に着く。
今、A班が登り始めているモンブランタキュールの氷河が目の前に見える。
望遠鏡で見ると、アリのように見え、ゆっくりとした動きもわかる。どんな思いで歩いているのだろうか・・・胸にせまるものがある。 展望台直下あたりの岩山では、スルスルと岩登りの人たちも見える。
ゴンドラ駅途中下車で3時間ほど歩くハイキングをする。晴ればれの山を眺めながら、シャモニーの街を眼下に見て、標高2,000mほどの峠をあるく。登山電車の駅から、グランドジョラス北壁や氷河が目の前に見える。「この氷河を歩いて北壁の登山口へ行く」と聞く。
登山電車でシャモニーへ帰り、A班を待つ。まもなくA班、ホテルに到着する。登頂成功を喜び合い、思わず涙・・・。皆さんの笑顔がいい。「頂上で、”北本山の会”の旗があればよかった」という声をただ残念な思いで聞く。
夕食はテラスのあるレストランで(大衆食堂)モンブランタキュール登頂の成功とツール・ドゥ・モンブランの山旅の終わりを祝って乾杯する。(諸)
7/24 「楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう」とよくいわれるが、まさにその通りで帰国日が来てしまった。ホテルを9時出発の予定だが、みんな8:30開店のお店へ走っていった。まだ買い物が残っていたらしい。シャモニーの町へ心を残しながら9時少し過ぎにはバスに乗り込んだ。
車中から見るモンブラン、モンブランタキュールも来た時とは異なった観方になっているに違いない。思い出話に花を咲かせながらバスはジュネーブ空港へ到着。充実したツール・ドゥ・モンブランの旅を終了した。帰りもアムステルダム乗り換えで成田に向かう。(保)
7/25 午前、成田空港に到着する。
二年間、計画と準備をして取り組んだツール・ドゥ・モンブラン&モンブランタキュール登頂だったが、すべて晴れという気象条件に恵まれたこと、日頃から行動を共にしている仲間同士であったこと、案内をしてくれた爽やかなKさんと全ての条件が揃い、素晴らしい旅を終了できました。皆さんに感謝・感謝です。(保)
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